どうも!でら釣りのはくです。
今回はヒガンフグの生態や習性、産卵をご紹介させていただきます。
春のお彼岸の季節に釣れるから、ヒガンフグと呼ばれるようになりました。
関東では、ヒガンフグ釣りの釣船が出るほど人気の釣り物です。
ヒガンフグのお味は、トラフグよりも美味しいと市場のプロたちに評判です。
しかし何故、お彼岸の時期に釣れるのでしょうか。
それでは、ざっくりとご紹介させていただきます。
ヒガンフグとは
学名:Takifugu pardalis(タキフグ パールダリス)
命名年:1850年
命名者:コンラート・ヤコブ・テミンク(Coenraad Jacob Temminck) オランダ人の動物学者
命名者:ヘルマン・シュレーゲル(Hermann Schlegel)オランダ人の動物学者
ヒガンフグは、シーボルトの持ち帰った脊椎動物のひとつでした。
それを、テミンクとシュレーゲルが整理して管理、図鑑『Fauna Japonica』を作りました。
トラフグ属は25種います。
ヒガンフグは、そのうちの一種です。
ヒガンフグ 英名
パンサーはヒョウや黒ヒョウ、パッファーはフグという意味です。
直訳すると、黒ヒョウのフグとなります。
ヒガンフグ 和名
関東ではアカメフグと呼びますが、アカメフグとは別種です。
生態や産卵なども異なります。
ヒガンフグは、彼岸の時期に釣れるからヒガンフグと言われています。
もう一つ、食べると彼岸に行く(死ぬ)という意味から名付けられました。
ヒガンフグ 地方名
・目赤フグ(メアカフグ)
・アカメフグ(関東のみ) アカメフグとは別種なのでご注意ください。
・コメフグ
関東では、ヒガンフグをアカメフグと言いますが、この2つは完全な別種です。
メアカフグをアカメフグと勘違いした結果、広まった呼び名だと思います。
アカメフグ(ヒガンフグではない)とメアカフグ(ヒガンフグ)は、混同し易いのでご注意ください。
見た目は全く違います。
名古屋ふぐの由来は『毒に当たったら終わり(愛知県の尾張)』というダジャレから来ています。
ショウサイフグ、コモンフグ、ナシフグもまとめて名古屋フグと呼びます。
ヒガンフグ 見た目
・体の模様は、大きく黒い斑点とまだらな模様がありますが、地域差があります。
・体の表面には、小さなコブ状の隆起があります。
ヒガンフグ 見分け方
ヒガンフグとよく間違われるのは、アカメフグです。
コモンフグやクサフグとは、簡単に見分けがつきます。
コモンフグ、クサフグ
ヒガンフグは、クサフグやコモンフグのような小さな棘はありません。
ここで見分けることが出来ます。
アカメフグ
ヒガンフグと同じく目が赤いアカメフグと見た目が似ています。
見分け方は、ヒガンフグの方が斑点が多いことから区別できます。
ヒガンフグは、まだら模様が多いのが特徴です。
アカメフグは、まだら模様にならないほど斑点が少ないです。
ヒガンフグ 水温
北海道などの寒い場所よりも暖かい水温を好みます。
ヒガンフグ 生息範囲
・黄海や東シナ海。
・中国や韓国などのアジアにもいます。
ヒガンフグは、岸近くの堤防や岩礁帯、海藻周りにいます。
普段は1匹だけで行動して、砂や砂利の底の方に隠れています。
ヒガンフグ 成長
良く釣れるサイズは25㎝~35㎝です。
このサイズになると、成熟して産卵をします。
ヒガンフグ 産卵
産卵の回数:2回以上。
産卵の時期:3月の満月と新月。
春のお彼岸の時期と同じです。
この時期の満月と新月は要チェックです。
ヒガンフグ 産卵行動
春のお彼岸頃に産卵は行われます。
お彼岸近くの満月と新月になると、大量のヒガンフグが砂浜や磯場に押し寄せます。
波打ち際や浅瀬で産卵します。
クサフグなど他のフグと同じ場所で産卵することもあります。
ヒガンフグ 食性
フグは何でも食べます。
その食性のせいで、釣りでは最悪最強のエサ取りと言われています。
エサだけでなく、釣り針を折ったり、糸を噛み切ったりして釣り人を困らせる代表格です。
ヒガンフグ 習性
・他のフグと同じで、敵が来ると水を吸い込んで体を大きく丸く膨らませる。
・泳ぎは遅いが、方向転換や前後左右へ向きを変えるのが得意。
普段は、砂の中や岩の隙間に隠れています。
敵に対して体を膨らませて抵抗するのは、敵が食べ難くなるからです。
魚は基本的に丸呑みなので、呑み込めないと思ったら吐き出して食べることを諦めます。
遊泳力が低いヒガンフグだから、身に着いた対処法です。
ヒガンフグ オスとメスの見分け方
・フグ調理師免許を持ったプロの料理人でも、オスとメスの見分けるのは難しい。
お腹を触って指先にポッコリとした感触があれば、メスです。
ただし、プロでも難しいと言われています。
捌けばすぐに分かりますが、フグを捌くにはフグ調理師免許が必要です。
素人は絶対に捌いてはいけません。
ヒガンフグに毒があるって本当?
・テトロドトキシン
・白子(卵巣)、精巣。
・内臓。
・皮。
・地域によっては身にも毒があります。
・個体ごとに差があります。
・岩手県 釜石湾(かまいしわん)
・岩手県 越喜来湾(おきらいわん)
・宮城県 雄勝湾(おがつわん)
これらの地域は、ヒガンフグの食用が禁止されています。
白子(卵巣)や内臓だけでなく、全身に猛毒を持っているからです。
もし食べたい場合は、必ずプロに任せます。
ヒガンフグの寄生虫ウオジラミ
一般的に、ウオジラミは淡水魚の鱗に寄生します。
これが、フグのエラや内臓にも寄生します。
フグに寄生したウオジラミは、毒に耐性がありテトロドトキシンを持つので凄く危険です。
しかし、フグにウオジラミが寄生しても、エラと内臓は食べずに捨てる場所なので大丈夫です。
これも、フグ調理師免許を持った人なら安全に捌いてくれます。
ヒガンフグがトラフグよりも美味しいのは本当?
ヒガンフグは、釣り物として2015年から流行りだしました。
その理由が、熟成させるとトラフグよりも美味しいということです。
そのせいか、今では関東では定番の釣り物です。
それだけ、味も美味しく、釣り味も良い魚です。
ヒガンフグの養殖はあるの?
フグの養殖は、トラフグ以外は行われていません。
もしヒガンフグを食べたいなら、釣るかネットで注文するか、市場で予約するしかありません。
ヒガンフグの生態と産卵 まとめ
・食べる際は、きちんとプロに任せます。
ヒガンフグは、お彼岸の時期の贅沢品です。
釣船ならフグ調理師免許を持った船長が捌いてくれるので、安全でおすすめです。
ヒガンフグは、釣り味が良くて、坊主も少ない、美味しく頂ける、3拍子揃ったとても良いお魚です。
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